Iga people

伊賀人バンザイ!

ホーム伊賀人バンザイ!April Books 店主 芝川由希さん

ここから本文です。

April Books 店主 芝川由希さん

自分だけの1冊に出会える書店をめざして 地域の交流の場にも

 

司書から書店の店主に 本に関わる仕事を続けたい

 「手に取った方の心に響くような本、寝る前に読みたくなるような自己啓発本などを選ぶようにしています」と話すのは、伊賀市柘植町の書店「April Books」を営む芝川由希さん。同店は最近注目されている、小規模だが店主の意思や個性をいかした選書と店舗づくりを行う「独立(系)書店」だ。

 

 幼いころから本が好きだった芝川さん。東大阪市の大学に進学し、在学中は個性豊かな大阪の書店に通った。その店舗ならではの本の選び方や店舗づくり、店主の人柄などに影響を受け、いつか自分の店を持ちたいと思うようになった。大学卒業後は司書として、四日市市立図書館や図書館巡回指導員として勤務。その間は開業準備として、書籍の受注サイトでコツコツ仕入れを行っていた。そして、2023年6月に空き家を改装して念願の書店「April Books」を開店した。

 

 店頭に並ぶのは、絵本から専門書、エッセー、画集など約800冊。新刊のほかに古書も扱っていて、大型書店では目に留まりにくい、小出版社の本など、個性的で魅力ある本をセレクトしている。店舗づくりにも工夫をこらし、ゆったりとした気持ちで本と向き合えるように、内装にはふんだんに木を使用。圧迫感を少なくするために本棚の背板をなくした。ワークショップなど様々なイベントに活用できるスペースも設け、子ども用の椅子も用意した。

店舗はJR柘植駅の近く。蒼色とコンクリートの壁に木の扉がおしゃれな雰囲気。

店内には約800冊の本が並ぶ。店舗奥には椅子が置かれていて、ゆっくり本を選ぶことができる。

 

本を通したイベントで地域の交流の場を

 「私にとって本は、情報を得るためだけのものではなく、いろいろな感情が生まれたり、物語の世界に入り込めたり、いろいろな場所に連れて行ってくれるもの。時には、読んだ方の人生に大きな影響を与える力を持ったものだとも思っています」と話す芝川さん。そんな本の魅力発信と、地域の交流の場として、様々なイベントを企画している。

 

 お題にそったお気に入りの本を持ち寄り、おすすめのポイントを語りあって、読みたい本を競う「ビブリオバトル」や絵本の読み聞かせ会などを定期的に開催。また、2024年9月から受付を開始する、伊賀ぶらり体験博覧会「いがぶら」にも参加し、小さな本「豆本」を制作する体験メニュー(11月頃に開催)を実施する予定。2025年の春には店内に、登録者が持ち寄った本を並べて貸し出す「まちライブラリー※1」も開設する予定だ。

 

 「現代は本離れが進んでいますが、書店に足を運んで、ページをめくる楽しさ、自分だけの1冊を見つける楽しさを感じていただきたい。今後は、より多くの本に出会えるイベント、県下の書店が集まるブックフェアなどを伊賀で開催したいですね」と抱負を語った。

 

※1 まちライブラリー……登録件数は1,000件を超え、オフィスや大学、カフェなど、全国各地の様々な場所に、同ライブラリーが設置されている。本の寄贈者からのメッセージが書かれたカードに感想を綴ることができ、そこから交流が生まれる仕組み。

 

 

同店は「御書印プロジェクト」の参加店。御書印帖には、書店に訪れた証として、書店員が選んだ本のタイトルや一節が記され、オリジナル印が押される。

※御書印帖、御書印ともに有料。

 

2024年8月からコーヒーの提供を開始。コーヒーはホット、アイスともに450円~。手焙煎のオリジナルブレンドもあり!

※「April Books」についての詳細やイベント情報は、公式Instagramから。2024年9月末まで「自然食通信社」フェアを開催。

 

取材日:2024年6月

April Books

三重県伊賀市柘植町3407−3

090—5036-2617

一覧

このページの先頭へ