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81歳の現役スイマー 伊達春江さん
マスターズ水泳で数多くの新記録を樹立 世界大会で入賞を果たす
孫の水泳教室の送迎がきっかけ 60歳から水泳をはじめる
「水泳に出会えて本当に幸せです。仕事一筋で趣味もなかった人生が大きく変わりました」と話すのは、伊賀市在住でウエストスポーツクラブ佐那具校に所属する伊達春江さん(81)。
水泳をはじめたのは、60歳のとき。鮮魚店を共に営んでいた夫が亡くなった後だった。孫が水泳教室に通うようになり、送迎の待ち時間に「水泳をはじめてみたら」と娘夫婦にすすめられたのがきっかけだった。
水泳は全くの初心者だったという伊達さん。最初は水に浮くことからスタートした。クロールをマスターし、背泳ぎ、平泳ぎ、バタフライと次々に泳ぎ方をマスター。毎日練習を重ねるうちに記録が伸びはじめ、いつの間にか孫のタイムを超えていたという。
ねんりんピックなど多くの国内大会で新記録を樹立 世界大会で入賞を果たす
周囲のすすめもあり、65歳ころから「ねんりんピック」など、数多くの国内大会に出場。それから快進撃がはじまり、次々と記録を塗りかえてきた。
近年では、2023年に福岡市などで開催された「世界マスターズ水泳選手権九州大会」の75歳から79歳対象の女子400メートル自由形で、見事7位に入賞。昨年2月の「(一社)日本スイミングクラブ協会主催のJSCAマスターズ水泳通信記録会」では、80歳から84歳対象の自由形800メートルを15分22秒66で泳ぎ、大会新記録で優勝。今年2月の同大会では、自由形1500メートルで大会記録を5分以上縮める、29分53秒72で新記録を樹立。2年連続で優勝を果たした。中でも、今年挑戦した1500メートルは、25メートルプールを30往復する過酷な種目として知られている。
「世界大会では体格の大きい選手が多く、泳ぐのは緊張しましたが、結果を残せてとてもうれしかったです。昨年と今年に挑んだ長距離は、競技中は何も考えずに泳ぐことだけに集中しました。途中、泳いだ距離を教えてくれるコーチの掛け声や友人の声援が聞こえて、励みになりました。泳ぎきれて記録が更新できたときは、飛び上がるくらい嬉しかったです」と大会を振り返る。

伊達さんは昨年の大会「第41回JSCA東海マスターズ短水路スイミングフェスティバル(2024年11月9日)」の2種目で、大会新記録を出した。クラブとしても男女総合優勝を収めた。手に持つのは、総合優勝のトロフィー。
できる限り元気に泳ぎ続けたい 次の大会でも新記録を目ざす
ほぼ毎日クラブに通い、レッスンを含めて2時間半以上は泳いているという伊達さん。次に出場を予定しているのは、11月8日に開催される「第42回JSCA東海マスターズ短水路スイミングフェスティバル」の80歳から84歳対象の100メートル自由形と50メートルバタフライ。現在、大会に向けて特訓中だ。「大会で飛び込み台の上に立つととても緊張します。緊張をやわらげるためにも、毎日コーチの指導どおりに、しっかり泳ぎきるようにしています。練習の成果をいかせるように頑張ります」と大会の意気込みを話す。
水泳で気持ちも体も若返ったと話す伊達さん。今後の目標を聞くと「来年の大会では自由形3000メートルに挑戦しようかな(笑)。これからもできる限り、水泳仲間やコーチたちと、楽しく泳ぎ続けたいですね」とほほ笑んだ。
撮影協力:ウエストスポーツクラブ 佐那具校
取材日:2025年9月




