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三重県上野森林公園 モリメイト 代表 木谷康司さん
「本気で遊ぼう!」が合言葉 ボランティアで公園を整備
20年以上にわたり、ボランティアで園を整備
「『楽しくないと続かない。本気で遊ぼうモリメイト!』を合言葉に活動を続けています」と話すのは三重県上野森林公園でボランティア活動を行うモリメイトの 代表 木谷康司さん(68)。
モリメイトが活動を行う同園は、2000年に三重県の施設としてオープン。総面積は約52ha。古琵琶湖層の粘土質の地層から湿地が多く、園内にはサギソウが群生する湿地(サギソウ園)や池が点在。ハッチョウトンボやササユリなど、希少な動植物が生息している。
現在、同園の管理運営を行っているのは、三重県民の森などの管理運営を行う、NPO法人ECOOM。モリメイトの発足は2003年で、20年以上にわたって園の整備活動や企画イベントなどを、管理者と協議のうえ、実施してきた。
現在の中心メンバーは、伊賀市と名張市の60代から80代の男女十数名。毎週木曜日に、草刈り、枯れた木の除伐や処理、散策路の整備、植物・花木の保護・手入れなど、季節に合わせた園の整備を行っている。ほかにも、くぬぎの植樹、シイタケの菌打ち体験、集めた落ち葉でカブトムシの幼虫用の腐葉土作りなど、子どもも参加できるイベントを企画して開催。活動内容は月に一度広報誌を作成し、同園のホームページで公開している。
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2014年から11月頃に実施している「くぬぎの森づくり」。里山の景観を取り戻す取り組みとして、くぬぎの植樹を行っている。 |
木の囲いに落ち葉を敷き詰めて腐葉土を作り、その中でカブトムシの幼虫を育てる(ビートルズベッド)活動。写真は2024年12月に実施した活動の様子。 |
毎年2月頃に開催している人気のイベント「シイタケの菌打ち体験」。原木にドリルで穴を開けて、シイタケの菌コマを木槌で打ち込む。 |
自然を感じながら、気の置けない仲間との作業が魅力
モリメイトの主な活動場所は園の南側。この辺りはかつて、地元の人が柴刈りに来る、人の暮らしとともにあった里山だった。ところが、生活様式の変化とともに、柴を刈る必要もなくなり、長年放置されていた。モリメイトが活動を開始したときは、一面に笹が生い茂り、歩くのが大変な状態だったそうだ。
「これまで伊賀の里山の再生を目ざして、間伐や草刈りといった作業を根気よく続けてきました。その甲斐あって、散策路が増え、間伐材を使った橋やベンチの設置なども行うことができました」と木谷さん。
枯れ木の伐採作業。来園者だけでなくメンバーもケガがないように慎重に作業を行う。 |
枯れ松伐採後の清掃作業。メンバーが協力して実施している。 |
休憩時間の談話も楽しみの一つ。 |
作業する上で最も大切にしていることは「安全」だそう。来園者はもちろん、メンバー自身もケガがないように、作業を行う際には通行止めの仕切りや作業中の看板を設置。木を伐採する際は見守りの人を配置するなど、細心の注意を払って作業している。
「園内は自然が満載です。作業の休み時間に、季節の花や昆虫を探したりすることもあります。童心にかえって自然と触れ合えるのが楽しいですね。メンバーとは職業や年齢、性別に関係なく対等に付き合えるもの魅力。そんな気の置けないメンバーとの会話も楽しいですよ」とモリメイトの魅力を話す木谷さん。続けて「平日の活動なので、メンバーはリタイアされた方がほとんど。高齢化が進んでいます。本気で遊びたい方の参加をお待ちしています」と笑顔で参加を呼びかけた。
メンバーインタビュー
本気で遊べる、場所&メンバーとの活動はとても楽しいです。四季を肌で感じながら体を動かすのは、健康にも良いですよ。いつまでも元気に活動したいです。 |
代表時代を含め、これまでケガがなく活動できていることに感謝しています。先輩方から受け継いだ精神「本気で遊ぼう!」をこれからも引き継いで、楽しく安全に活動を続けていきたいです。 |
自然が大好きなメンバーと一緒に作業するのが楽しいです。イベントを企画したり、広報誌の記事を書くのも楽しいですね。今後もたくさんの方に、この活動の素晴らしさを伝えていきたいです。 |
※三重県上野森林公園 モリメイトの応募・問い合わせは、三重県上野森林公園(℡0595-22-2150)まで。公式HPはこちら。
取材日:2025年4月