Iga people

伊賀人バンザイ!

ホーム伊賀人バンザイ!BMXフラットランドスクール FOURBLOCK 代表 田邉泰志さん

ここから本文です。

BMXフラットランドスクール FOURBLOCK 代表 田邉泰志さん

転んでも立ち上がって、前に進む気持ちを育てたい!

海外の選手のビデオテープを擦り切れるまで見て練習 独学で世界へ

 「BMXに出会ったのは、高校生の時でした。自転車が盗難にあって、新しい自転車を買うために訪れた自転車屋さんで出会ったBMXが、他の自転車とは見た目や構造が大きく違っていて、そのかっこよさに魅かれて購入しました。それから28年間ずっとBMXに乗り続けています」と話すのは、三重県伊賀市西明寺でBMXフラットランドの教室を主宰する田邉泰志さん。(45)

 BMXは、1970年代初期のアメリカでモトクロス競技に憧れた子どもたちが、20インチの自転車で競技を真似たのがはじまりといわれている。田邉さんが高校生だった1980年代は、日本ではまだ認知度が低く、周りにもBMX競技に出場している人はほとんどいなかった。そこで、海外の選手のビデオテープを取り寄せ、何度も繰り返し見ながら、見様見真似で練習した。高校卒業後も会社員として勤務しながら独学で練習を続けて、BMXフラットランドの国内大会に出場。23歳のときには、KOG(BMX全日本選手権)のエキスパートクラスで優勝、年間ランキングで3位となり、BMXフラットランドのプロライダーに昇格。アメリカのペンシルべニアで開催された世界大会でもプロクラスで入賞を果たした。その後もプロとして、国内外の大会に出場。優勝や入賞を果たし、全日本選手権プロクラスの年間ランキングで4位になるなど好成績を残した。2017年には(一社)全日本フリースタイルBMX連盟 BMXフラットランド委員会委員に就任。2019年からは同連盟の理事を務めている。

※BMX(バイシクルモトクロス)…競技は大きく分けて「レース」と「フリースタイル」があり、「フリースタイル」の中でも「パーク」と「フラットランド」に分かれる。「パーク」はスケートパークという専用の施設で、ダイナミックなジャンプや回転等の技を競う。「フラットランド」は、平らな地面で足をつかずにアクロバティックな技を披露する。「パーク」は2020年東京オリンピックより正式種目に採用されている。

BMXの技を練習する田邉さん

田邉さんが受賞したトロフィーの一部

ステップアップしていく喜びが自信に! 

 現在、田邉さんのスクールには、小学生から大人までの男女、約30名が通っている。伊賀をはじめ津市や大阪などから通う生徒もいる。田邉さんがスクールをはじめたのは2016年。奈良県で倉庫などを借りて行っていたが、2018年から地元伊賀に拠点を移した。しばらくは倉庫などを借りてスクールを続けていたが、2021年の夏に現在の場所で、国内最大規模の全天候型BMXフラットランド屋内パーク「FOURBLOCK(フォーブロック)」をオープン。ライディングスペースは、BMX連盟のオフィシャル大会と同等の広さで、床材も大会と同等の木材を使用。現役のプロBMXライダーも利用する本格的なパークだ。2022年の3月にはパークに併設して、BMXの自転車やパーツなどを扱うプロショップを開店した。

 「BMXは転ぶのが当たり前のスポーツ。子どもたちには、何度転んでも立ち上がって、前に進む気持ちを持って欲しい。転んでもめげずに練習して、技を習得できたときの喜びはひとしおです。それが自信につながりますし、将来壁にぶつかった時に乗り越えられる力になると思っています」と田邉さんは、子どもたちへの思いを話す。

田邉さんが運営するBMXフラットランド屋内パーク「FOURBLOCK」

併設のプロショップでは、大人用だけでなく子ども用のBMXを販売。BMXのパーツも扱っているので、練習中の故障にも対応してもらえる。

アーバンスポーツのイベントを伊賀で開催!観客の心に響くパフォーマンスを!

 田邉さんはこれまでBMX連盟の理事として、多くの大会やイベントの運営に携わり、魅力を発信してきた。2023年11月5日には伊賀で初めて、BMXやスケートボードの魅力を広めるイベント「NINJA URBAN SPORTS FES」を上野市駅前広場で開催。このイベントは田邉さんが代表を務める実行委員会が主催し、協賛金を募って実施された。プロライダーによる技の披露や試乗体験会が行われ、参加者が800人を超える盛況ぶりだった。

 「東京五輪からBMXやスケートボードといったアーバンスポーツは、日本でも盛り上がりを見せていると思います。伊賀の方にも魅力をもっと知っていただきたいですし、競技人口が増えてスケートパークのような施設ができれば、県内外から多くの方が訪れ、地域の活性化にもつながると思います」とイベントの主旨について田邉さんは話す。

 「BMXは自分と戦うスポーツ。すばらしい技を披露する場であるとともに、チャレンジして失敗しても、チャレンジする精神を選手や観客が称えあうスポーツでもあります。子どもたちにもそんな精神を持って欲しいですし、パフォーマンスで勇気や元気を与えられる、憧れられる選手になって欲しい。そのために、これまで自分が培ってきたものを伝え続けていきたい」と、BMXの魅力と生徒への熱い思いを語ってくれた。

小学生の息子さんも生徒の一人。生徒にはポジティブなアドバイスを心がけているそう。

 

「NINJA URBAN SPORTS FES」のチラシ
(開催:2023年11月5日/上野市駅前)

※教室の詳細は、HP(https://shrbmxschool.com/)をご覧ください。

取材日:2023年11月

一覧

このページの先頭へ