しあわせニャンコ
三重県伊賀市大野木1697
0595‐51‐6102（ロートにゃん）
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しあわせニャンコ 山本薫さん、利雄さん
小さな命をつなぐ保護猫カフェを運営
保護して譲渡する、小さな命をつなぐ保護猫カフェ
「『命を助けるためにペットを飼う』という選択肢があることを知って欲しい」と話すのは、三重県伊賀市大野木で保護猫カフェ「しあわせニャンコ」を営む、代表社員の山本薫さんとご主人の利雄さん。
薫さんは、ロート製薬株式会社 上野テクノセンター（伊賀市ゆめが丘）に勤務する会社員。以前から保護猫活動に興味があり、いつか自分で譲渡型の保護猫カフェをしたいという思いがあった。2020年から同社の社内起業家支援プロジェクト「明日ニハ」※1が始動したのを機に起業を決意。プロジェクトに応募した。そして、会長、社長が出席する社内プレゼンで起業への熱い思いを発表し、見事2期生として採用された。
2022年3月に、譲渡型保護猫の育成、里親マッチングを目的とした保護猫カフェ「合同会社しあわせニャンコ」を設立。翌年2月22日（猫の日）に店舗をオープンした。同店では里親のマッチングがしやすいよう、ゲージ越しではなく、直接触れ合ってもらえる平飼いを採用。現在15匹いる猫スタッフは譲渡対象ではないが、順次譲渡できる猫スタッフ※2がお目見えする予定だ。
猫を保護すると連携先の動物病院で血液検査、ワクチン接種、避妊、去勢手術を施す。伊賀保健所からの保護要請に応じているほか、検査等の費用を負担してもらう形で、個人の保護依頼も受け付けている。「できるだけ、命をつなぎたいという思いがあるので、まずはご相談ください」と薫さんは話す。
 自然豊かな田園地帯にある店舗。道幅が狭いので軽自動車での来店がおすすめ！ |
 猫スタッフとおもちゃで遊ぶ山本さん。猫の展示室では、おもちゃで遊ぶこともできる。 |
猫スタッフはみんなフレンドリー、毎月通うリピーターも
合同会社を設立してから、薫さんは休日を返上して開店の準備をすすめた。動物を扱う店舗のため、自治体に「第一種動物取扱業」の登録が必要で、登録の申請には、指定団体の認定資格と実務経験の証明書が必要になる。薫さんは休みを返上して100日間、津市の保護猫カフェで実務経験を積んだ。そして、認定資格の一つである、愛玩動物飼養管理士2級の資格を取得した。
開店が近づき内装準備がはじまると、活動に賛同するロート製薬の社員が、全国からかけつけた。キャットタワーや壁の腰板の取り付け、別室で提供するドリンクや食事のメニュー表作りなども同社員が協力した。
オープンしてからは、多い時で一日約30人が来店。毎月通うリピーターもいるという。「うちの猫は警戒心が少なく、みんなフレンドリーです。よく、犬みたいと言われます（笑）。人も動物も幸せになれる場所、命の重みを感じられる場所になるよう力を注いでいきたい」と薫さんは活動への思いを話す。
 展示室では、かわいい猫スタッフが迎えてくれる。 |
 猫団子が見られるかも！？ |
殺処分ゼロをめざして、命をつなげる担い手の育成を
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会社員と店舗運営のダブルワークを実施している薫さん。店舗の営業は、金曜日から日曜日だが、毎日猫の世話はかかさない。利雄さんとともに、トイレ掃除や水と餌の準備、猫の体調観察などを行う。「周りの方から『何でそんなに元気なの？』と、よく言われます。自分の好きな事をしているので、楽しくて仕方がない（笑）。毎日がとても充実しています」と笑顔を見せる。
薫さんの悩みは、1つの店舗で飼育できる頭数が決まっているので、保護できる猫の数にも限りがあること。「保護して、里子に出して、また保護するという、命のリレーをつなぐには、この店舗だけでは限界があります。活動に賛同していただける後継者を育てたい。店舗が増えればそれだけ、殺処分が減らせますから」そう話す薫さん。優しい笑顔の中にも、強い意志と活動への熱い気持ちを感じた。 |
 ドリンクと食事の提供は別室のカフェスペースで。バナナジュースが人気！ |
しあわせニャンコについて詳しくはこちらから。
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※1 明日ニハ……社員の多様な働き方として同社が提案している「社外チャレンジワーク」「社内ダブルジョブ」に加え、応募制で社内起業家を支援するプロジェクト。社会課題に向き合い“個”の思いをもとに起業する社員の支援を実施。採用されると、社内クラウドファンディングによる活動資金の支援や会計・法務上の知識サポート、セミナーやミートアップの機会が提供される。
※2 猫の譲渡には条件があり、面談を実施。また、検査費、ワクチン接種費用、去勢・避妊手術等の費用が必要。
取材日：2023年4月
