Iga people

伊賀人バンザイ!

ホーム伊賀人バンザイ!FIVE Dance&Double Dutch 代表 稲垣智子さん

ここから本文です。

FIVE Dance&Double Dutch 代表 稲垣智子さん

子どもの心を豊かにしたい 人として成長できるスクールをめざして

三重県下初、ダンスとダブルダッチが学べるスクール

 「高校生の時にダンスに夢中になって以来、20年以上踊り続けています(笑)。ダンスもダブルダッチも、音楽を自分の表現で伝えられるところが魅力。縄を使うダブルダッチは難易度がアップしますが、できたときの達成感がすごい」と話すのは、伊賀市緑ケ丘本町にある「FIVE Dance&Double Dutch」の代表を務める稲垣智子さん。このスクールは、県下で初めてダンスとダブルダッチが一緒に学べるスクールとして2022年6月に開校。現在教室では、K-POPからブレイキン(ストリートダンスの1つ)、ダブルダッチまで様々なジャンルを教えている。

※ダブルダッチ…2本の縄を使った縄跳び。向かい合った二人が両手に持ったロープを回し、その中をジャンパーが跳ぶスポーツ。

「FIVE Dance&Double Dutch」が活動しているスタジオ「Culture Base Five」(三重県伊賀市緑ケ丘本町)

リトルクラスの練習風景

 愛知県名古屋市出身の稲垣さん。高校生のときにダンスの楽しさに目覚め、ヒップホップを中心にダンスの活動をスタート。高校卒業後すぐに、母校の高校でダンス部の講師を務めながらコンテストに出場。数々の賞を受賞した。結婚、出産後も名古屋市内でダンスの指導を続け、10年程前にご主人の両親が住む伊賀に移住。その後も、スポーツクラブや伊賀市介護予防リーダー養成講座などで指導にあたってきた。自身でもダンスのサークルをたちあげ、学校の体育館や公民館で活動を行ってきた。

 稲垣さんがダブルダッチと出会ったのは5年程前。「動画で見たダブルダッチがあまりにかっこ良くて、どうしてもやってみたくなりました。でもダブルダッチは、縄を回す人が必要で、一人ではできない(笑)。伊賀にはスクールがなかったので、講師を必死で探して、ダンスサークルにダブルダッチを取りいれる形でスタートしました」

 しかし、コロナ禍で学校の体育館や公民館が使用できなくなり、サークル活動は練習場所を失ってしまう。屋外で活動したこともあったが限界を感じて、自らスタジオを作ることを決意。クラウドファンディングを活用して資金を募り、木材加工をしていた倉庫をスタジオに改築。床や天井の補修など、できる範囲で自分たちも改築に携わった。そして、2022年6月に同スクールを開校。「それまでも、活動拠点を持ちたいという思いはありましたが、コロナが背中を押してくれました」と稲垣さんは話す。

 

ダブルダッチのコンテストで優勝 今夏の世界大会にむけ特訓中

  現在スクールに通っているのは、5歳から80代までの約120名。スクールではこれまで、多くのコンテストに出場。15歳以下のダブルダッチのコンテスト「FreelyJAPAN2022」で優勝を果たしたほか、名古屋市で開催のダブルダッチのコンテスト「DERA JUMP」の混合部門で2022年と2023年の2年連続優勝を果たすなど、多くの賞を受賞している。また、2023年9月には国内のダブルダッチの最高峰のコンテスト「Double Dutch Delight」の関西予選(WEST)にも出場した。

 稲垣さん自身もソロでダブルダッチのコンテストに出場していて、2023年に福岡で開催された「跳龍門」で優勝。現在は、今夏に神奈川県横浜市で開催されるダブルダッチの世界大会「DOUBLE DUTCH ONE’S SOLO BATTLE」への出場をかけて、特訓中だ。「出場をめざしている世界大会で私が挑戦するのは、即興のソロバトルです。DJがその時にかけた曲に合わせて即興で跳ぶので、どんな曲がかかっても対応できるように、日ごろからいろいろな曲で練習しています。私は元々型にはまるのが好きではなくて、即興の方が得意なんです(笑)」

「DERA JUMP」(2023年3月開催)の混合部門で優勝した時のスナップ

2023年度伊賀市民文化祭のDANCE部門でのステージの様子

 

未来を担う子どもたちが成長できる場に 

 スクールを始めて2年。通う子ども達の変化に驚くこともあるという。「ダンスが好きだけれど勇気が出なくて、泣きながら来ていた子が、観客の前で堂々とショーをしていたり、最初は縮こまっていた子が小さい子に教えていたり。そんな姿を見ていると、とても頼もしく思います」と稲垣さん。

 スクールでは教室以外にも、自然体験や異年齢交流を大切にしていて、田植えや夏の合宿、稲刈りや焼き芋会などを行っている。「大会に出場することも大切ですが、私は子どもたちが人として成長すること、心が豊かになることを一番大切にしています。スクールでの活動を通して、感謝する気持ちや自立心、探求心、個々の豊かな人間性を育てたい。この場所が、未来を担う子どもたちが成長できる場になればと思っています」と稲垣さんは、笑顔で子どもたちへの熱い思いを語った。

敢國神社(三重県伊賀市一之宮)の御田植祭に参加(2023年5月)

毎年秋には芋ほり&焼き芋会を開催

※「FIVE Dance&Double Dutch」の詳細はInstagram@fivedanceanddoubledutchで掲載しています。

 

取材日:2024年4月

 

一覧

このページの先頭へ