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とよさ株式会社 代表取締役  前田豊作さん

伊賀から世界へ 最高品質の豚を届けたい

食を大切にしたいとの思いから養豚業へ

 「自然豊かな伊賀。この地の水とお米、そして環境にやさしい食品リサイクル飼料で、安心・安全な美味しい豚を育てたい。そんな思いをもって、ここで養豚をはじめました」と話すのは、三重県伊賀市上友田で養豚の農場を構える前田豊作さん(42)。

 

 三重県津市出身で、農業を営む両親の影響を受け、幼い頃から食の大切さを感じて育った。仕事も食に携わる仕事に就きたいと、学校卒業後に選んだのは養豚業だった。勤務先と関わりのあった食品リサイクルと養豚業を営む千葉県の会社からヘッドハンティングされ転職。その会社がコンサルタント契約を結んでいた伊賀の会社に指導のため赴任した。2009年に独立し、伊賀で食品リサイクルと畜産飼料の製造販売やそのアドバイスを行う会社を設立。会社を営むうち、食品リサイクル飼料を提供するだけでなく、自ら養豚業に取り組みたいという思いが募り、2016年に現農場を購入。翌年から本格的に養豚業を開始した。当初から飼育しているのは、三つの品種をかけ合わせた三元豚という品種で、現在の飼育数は約1000頭。前田さんとスタッフ5名が、餌やりなどの豚の世話から豚舎の掃除・消毒、出荷までを行っている。

前田さんと社員。農場は伊賀の緑あふれる場所にある。

伊賀の恵みと食品リサイクル飼料で美味しい豚を育てたい

 飼料の一つである食品リサイクル飼料は、環境に配慮できるのはもちろん、人が食べるものなので、豚にとってもとても美味しいものだという。しかし、それだけでは良質な肉質にならないので、前田さんの農場では伊賀米や自家栽培の有機野菜、必要な栄養素を配合して与えている。リサイクル飼料は麺類や卵焼きなどで、日によって種類が変わり、含まれている原料も異なるので、その都度、飼料の配合を変えなければならない。また、一般的な飼料に比べて痛みやすいため、業者に毎日取りにいかなければならず、輸送の手間とコストもかかってしまう。それでも前田さんはリサイクル飼料にこだわっている。「まず環境にやさしいということ。そして、もともと人が口にするものなので、安心・安全で美味しい豚に育つ。その豚が人に喜んでいただける食材に生まれ変わる。この循環がとても素晴らしいと思っています。時間と手間はかかりますが、今後もずっとこの飼料にこだわり続けていきたいです」と前田さんは話す。

 

 飼料のほかにも飼育にも力を入れていて、豚にとってなるべくストレスフリーな環境を心がけている。平飼いで豚舎の掃除を毎日実施。また、餌やりは手作業で行い、体調変化に気づけるよう、日々の観察もしっかり行っている。

手作業で餌をあげる前田さん。この日の餌は卵焼き。

全国最高賞を受賞 伊賀ブランドにも認定

 養豚を始めて約3年後の2020年9月、第60回農林水産祭参加表彰行事、第8回全日本豚枝肉コンクールで最高賞の「名誉賞」を県内の養豚業者で初めて受賞。これを機に自社の豚を「社員が力を合わせて育てた、生産者の顔が見える豚」という思いを込め、社名と同じ『伊賀とよさ豚』と命名した。受賞について前田さんは「当社の飼育法で育てた豚が全国レベルで認めていただけたことがとても嬉しい。私も社員も良い励みになっています」と笑顔を見せる。そして、2021年9月には、伊賀ブランドIGAMONOの認定を受けた。

 

 最後に今後の夢を聞くと「まずは伊賀の方に愛していただくこと。そして、日本、世界に誇れる、牛肉ならぬ豚肉を育てて発信するのが夢ですね。先々、モンドセレクションのような大きな賞にも挑戦したいです」と少し照れながらこたえてくれた。

「伊賀とよさ豚」は、伊賀市白樫にある「精肉のもりなが」で扱っています。

取材日:2021年9月

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