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瑞雲ファーム 中井奈緒美さん

義父の意志を継いでアスパラ農家に 新たな伊賀土産「明日晴(アスパラ)茶」を開発

未経験で継いだアスパラ農家 毎日不安との闘いだった

「急逝した義父の『日本一のアスパラを作りたい』という想いや頑張りを引き継ぎたくて、思いきって専業主婦からこの道に飛び込みました。継いでから1、2年は毎日不安との戦いでした」と話すのは、伊賀市比自岐でアスパラ農園「瑞雲ファーム」を営む中井奈緒美さん。義父の戒名にちなみ農園名を改名し、後を継いで5年になる。

 義父はひとりで農園を管理していたので、中井さんはもちろん家族のだれもがアスパラ栽培に関する知識がなかった。そこで、SNSで繋がった同業者やJAの営農指導員の教えを参考に、農作業に励んだ。春と夏の収穫以外にも、養分転流用のホースや畝の整備、施肥、草ひき、害虫駆除などの作業を、義母の協力を得ながらこなしてきた。現在は順調に収穫量を増やし、春の最盛期には多い時で1日約100㎏を収穫するまでになった。アスパラは自社の公式サイトで販売するほか、地元の地場産コーナーなどにも出荷している。どの作業も体を使う作業だが、一番辛いのは高温になるハウスの中で行う夏の収穫作業。ファンが付いた空調服を着て保冷剤を体に巻いて、乗り切っているという。

収穫したばかりの瑞々しいアスパラ

夏採りアスパラガスの収穫の様子

息子の提案から生まれた「明日晴茶」 癒しのひとときを届けたい

 後を継いだときからアスパラを使った商品開発を考えていた中井さん。アスパラのスープやジャムに挑戦するも納得のいく味にはならず、製品化にはいたらなかった。そんな中、昨年の夏に当時小学4年生だった長男が「アスパラを乾燥させて、お茶にしてみたい」と提案してきた。食品乾燥機で乾燥し焙煎したものに、お湯を注ぎ飲んでみた。すると、香ばしくて甘味もあるその美味しさに驚いた。「一口飲んでこれはいけると思いました」と中井さん。

 

 同じ頃にはじまった、伊賀市の観光振興を考える市民参加型プロジェクト「観光まちづくり企画塾(まち塾)」に参加。伊賀の新しい土産物として自作のアスパラ茶を提案したところ、土産物の一つとして採用された。商品名はメンバーと相談し「忙しい毎日を送っている方に、お茶を淹れてほっと一息ついてもらって『明日も晴れる』気持ちになって欲しい」との意を込め『明日晴(アスパラ)茶』と名付けた。パッケージには伊賀市在住のイラストレーター田槙奈緒さんが描いた可愛いアスパラのイラストがデザインされ、箱を開けたときに楽しくなる仕掛けも施されている。

 

 今年の2月から自社の公式サイトや西町やかかん(伊賀市上野西町)などで販売を開始。SNSなどで話題になり、初回分の250個は完売。好評につき、随時増産しながら販売している。

中井さんが開発した「明日晴茶」

かっこいい農家に! 新たな夢にも挑戦したい!

 以前は農業に対して「ダサい」「汚い」「もうからない」という印象をもっていた中井さん。「農業をやるんだったらかっこいい農家になる! 」と決意し、自身が好きなアメリカンテイストの作業着を着て、カラフルな髪型で作業に励んでいる。「後を継ぐと決意したその日に自分好みの作業着を作っていました(笑)好きな恰好で作業すると、モチベーションがあがって辛い作業も頑張れます」と笑う。

 

 SNSの普及で生産者と購入者が直接繋がることができる現代。「私が育てたアスパラを美味しかったと投稿してくださる方やアスパラの料理写真を投稿してくださる方もいて、とても励みになります。まだまだ手探りでわからないことも多いですが、最近は農業の魅力であったり、可能性を感じるようになりました」と話す中井さん。3年前からアスパラの農繁期と入れ替わりで、しいたけの栽培もはじめた。アスパラの売上も伸びたことから、今年は栽培面積を倍に増設する予定だ。

 

 最後に今後の夢を聞くと「おしゃれな農作業着をデザインして、販売したい。農園の近くでキッチンカーを出して農業体験ができるように整備したい。次代を担う子どもたちのためにも、国産の食材を少しでもたくさん提供したいですし、アスパラの産地である伊賀の風景を守っていきたい」と意欲的に語ってくれた。

中井さんがアスパラガスを栽培しているビニールハウス

取材日:2021年6月

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