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勝手神社の神事踊

2022年11月に、ユネスコ無形文化遺産登録に登録された民俗芸能「風流踊」。今回はその中の一つで、国重要無形民俗文化財に指定されている「勝手神社の神事踊」について詳しく紹介します。

協力:勝手神社 神事踊保存会・伊賀市教育委員会 文化財課

※情報は2023年8月末のものです。天候等により、イベントの内容が変更または、中止となる場合があります。

勝手神社の神事踊(しんじおどり)

【日時】2023年10月8日(日) 
 お渡り     午後1時30分
 神事踊の奉納  午後2時頃~
【所】 勝手神社(三重県伊賀市山畑)

 三重県を代表する民俗芸能の一つに鞨鼓(かんこ・かっこ)と呼ばれる締め太鼓を胸につけて踊る「かんこ(かっこ)踊り」があります。

 国重要無形民俗文化財に指定されている「勝手神社の神事踊」もこの一つで、雨ごい祈願や災疫を祓う踊りとされています。踊りの起源は、寛政2 年(1790)に老中松平定信の敬神思想の影響で始まったとする説や二百数十年前に疫病が流行した際、尾張の津島神社を勧請し、神事踊りを奉納したことが始まりという説などがありますが、はっきりとはわかっていません。

 以前は7月の祇園祭に奉納されていましたが、現在は10月の第2日曜日に勝手神社神事踊保存会の方により奉納されています。

神事踊の奉納

【お渡り】

お渡りの行列

籠馬

歌出しと楽打ち

中踊り

 踊りの奉納の前に、午後1 時30分頃から、御旅所から勝手神社に向けて行列して歩く「お渡り」が行われます。籠馬(しゃごうま)2 人、馬子(まご)2 人、猿1 人、地車に載せた楽太鼓を打つ子どもたち、歌出し5 人(立ち歌い2 人、地歌い3 人)、楽打ち(がくうち)4人、楽長(がくちょう)、鬼2 人(赤・青鬼)、中踊り6 人の順で、約1 ㎞の道のりを歩きます。

 籠製の馬を付けた籠馬は、見物客などに駆け寄って沿道を賑わせ、猿は愛嬌を振りまきながら歩きます。子どもたちは楽太鼓を打ちながら歩き、地歌いの内2 人は笛を吹きながら歩きます。

【神事踊の奉納】

楽長と楽打ち

立ち歌いと地歌い

中踊り

赤鬼

 午後2 時すぎに神社に到着すると、順番に神職のお祓いを受け、境内に入りながら神事踊が始まります。現在の踊りは「式入(しゅくいれ)」「御宮踊(おみやおどり)」「神役踊(じんじゃくおどり)」「左舞の式入(ひだりまいのしゅくいれ)」「津島踊(つしまおどり)」の5 つで構成され、午後4 時半すぎまで、約2 時間かけて奉納されます。

 「楽打ち」は境内に設けられた土俵の上で大太鼓を打ちます。楽打ちのリーダーである、楽長(ハタカキ)は、褄折笠(つまおりがさ)をかぶり、拍子をとります。ほかの4 人は、牡丹花と紅絹(もみ)を付けた花笠を被って、立ち座りを繰り返したり、太鼓のばち(バイ)を回転させるなど、複雑な所作を見せます。

 「歌出し」には、牡丹花と紅絹を付けた花笠を被った「立ち歌い」と褄折笠を被った「地歌い」がいます。立ち歌いは団扇を持って歌いながら踊り、地歌いの内2 人は笛も担当します。

 「中踊り」は、土俵を囲んで左右に3 人ずつ並び、胸の鞨鼓を弾きながら踊ります。背には枝垂(しだ)れ状の竹に色とりどりの花を付けた「オチズイ」、頭には孔雀・山鳥・雉子・鶏の尾を挿しています。

 「赤鬼・青鬼」は、「式入」の時にはともに神殿側で踊り、「御宮踊」になると「青鬼」は境内入口側に位置をかえ、以降はこの位置で踊ります。

 踊りが終わると、中踊りの「オチズイ」や立ち歌いと楽打ちの笠に付けていた牡丹花は、氏子や見物客が厄除け・家内安全の御守にするためにもらって帰ります。

 

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