Mrs./Ms.Earth Japan(ミセス・ミズ　アース　ジャパン) 2022　アンバサダー受賞　楠本知子さん

　「身長も高い方ではないし、自分には特に秀でた部分がないと思っていました。しかし、一歩踏み出す勇気をもてば、世界が広がる。見える景色が変わるんです。みなさんに自分の殻を破る勇気の大切さを伝えたい」と話すのは、2022年6月に開催された「Mrs./Ms. Earth Japan2022」でアンバサダー（大使）賞を受賞した楠本知子さん（53）。世界4大ビューティーページェント（ミスコンテスト）の一つである「Mrs./Ms. Earth」 は今年18年目を迎える世界的な大会。その日本大会である「Mrs./Ms. Earth Japan」は2023年6月の大会で5回目を迎える。活動の主旨は、生命の源「女性」と「美」を結びつけることを重視し、外面的な美しさに加え、豊かな人間性をもつ女性の活動を世界に発信。地球環境保護問題を世界的規模で取り組むことができる女性たちを応援し、次世代の子供たちに引継ぐことを目ざしている。

　楠本さんの素顔は、90年近く続く化粧品専門店「みよしや」の3代目社長。「伊賀のすべての女性を元気でキレイにする」ことをコンセプトに、日々、多くの女性の心と体のケアを行っている。そんな楠本さんが大会にエントリーするきっかけとなったのが、お客様からの「私の目に狂いはない！ あなたならいける！」の一言だった。最初は戸惑っていた楠本さんだったが、エントリーに踏み切ったのは、ある思いがあったからだ。楠本さんには障がいをもつ4歳上の姉がいる。「毎日を必死に生きる家族のために、何かしたい。家族を笑顔にしたい」幼少期からそんな思いをもって、家族と接してきた。その思いはお店のコンセプトにつながっていて、同大会の理念にもつながると思った。そして大会へのエントリーを決めた。

　出場にあたっては、ウォーキングのレッスンに加え、英会話の教室に通った。別の大会の優勝者でダンサーをしている知人から、ステージでのパフォーマンスの個別指導も受けた。1次2次を通過し、日本大会の出場者、十数名で臨んだビューティーキャンプでは、ナショナルディレクターからウォーキング、ダンス、メイクなどのレクチャーを英語で受けた。「レッスンはすごく厳しかった。日本大会の出場者には20代から60代という幅広い年齢の方がいて、中には通訳をしている方や現役のモデルの方も。私のように大会が初めてという方もいました。不得意な部分を互いに教え合い、励まし合うことで、深い絆が生まれました」と楠本さんは出場までの日々を振り返る。

　満を持して臨んだ日本大会。最初のパフォーマンス審査では、片手に仕事道具のメイクパレットをもち、もう一方の手にもったメイクの筆を「メイクでみんなに美と笑顔の魔法をかけるわよ」という気持ちをこめて、魔法の杖のように優雅にまわした。次の審査では、藍色のドレスに身を包み、20㎝のヒールを履いて、ウォーキングと英語のスピーチを行った。自分の出場時間以外では「全ての出場者が、自分本来の美しさを発揮してほしい」との思いで、励ましの声をかけた。その姿とステージのパフォーマンスが審査員の目にとまり、見事アンバサダーを受賞した。