Iga people

伊賀人バンザイ!

ホーム伊賀人バンザイ!ギャラリー是空 オーナー 杉野勇二さん、薫さん

ここから本文です。

ギャラリー是空 オーナー 杉野勇二さん、薫さん

身近にアートを感じてほしい! 県内外のアーティストの企画展を数多く開催

伊賀のアートを盛り上げたい 二人三脚でギャラリーを運営

 「周囲に文化施設がたくさんあるこの場所から、アートを発信したいという思いで、このギャラリーをオープンしました」と話すのは、伊賀市上野丸之内でギャラリーを営む杉野勇二さんと薫さんご夫婦。司法書士である勇二さんの事務所の建設にあわせ、1階にギャラリーを併設。2020年7月のオープン以来、これまで約20回にわたって企画展を開催してきた。記念すべき初回は、2019年に亡くなった薫さんの父、吉田仁一さんの回顧展だった。

 「伊賀は歴史や文化が多く残る街です。その文化の背景にはアートは欠かせないものだと思います。現在も文化施設を中心に展覧会などが開催されてはいますが、他の街に比べて美術館やギャラリーが少ない。伊賀には多くの作家さんがいらっしゃるのに、発表の場が少ないのが現状です」と勇二さんは話す。

 父の仁一さんが絵を描いていたこともあり、以前からアートに興味はあったが、運営に関しては知識がなかった。休みの日には、他のギャラリーをまわって展示方法などを学び、研究を重ねながら、二人三脚でギャラリーを運営している。

杉野司法事務所の1階にあるギャラリー是空(伊賀市上野丸之内)

鑑賞は想像を膨らませながら
実物から伝わる作品の熱量も感じてほしい

 これまでの展覧会は全て、ご夫婦から作家の方にアプローチする、ギャラリー主催の企画展として開催。「作品を拝見させていただいて、私たちがファンになった作家さん、メッセージ力のある作家さんにお願いしています。中には、アトリエまで足を運んで交渉することもあります」と、薫さんは企画展への意気込みを話す。

 

 鑑賞のポイントについて勇二さんは「全てを描かず、見る人にその先をゆだねる、想像してもらうような作品を描く作家さんも多いと思います。実際に存在しない色やものが描かれることもあり、いろいろな想像をふくらませながら鑑賞するのも楽しいです」と話す。いっぽうで薫さんは「作品は自由に、自分の感性で見てほしい。実際に自分の目で見ると、写真ではわからない、筆づかいや詳細な部分までわかります。間近でみると、その作品が持つ熱量が伝わってくると思います」と、それぞれの思いを話す。

2022年4月に開催した、伊賀市在住の陶芸家 谷本由子さんの展覧会『谷本由子 TANIMOTO YUKO 陶展』

ギャラリーは作品だけではなく、作家とも出会える場所

 作家のほとんどが、会期中は在廊して来場者の対応をするので、その間に互いの親交が深まると話す、杉野さん夫婦。「展覧会は協同作業だと思っています。同じ熱量をもって開催しないと成功しない。会期が終わるころには、お互いをまるで戦友のように感じることも少なくありません(笑)」と勇二さん。

 これまで地元はもちろん、東京など県内外の作家の展覧会を実施。恩師の展覧会に訪れた地元の高校生から、東京の作家の展覧会に合わせて、東京や沖縄などから足を運んだ人など、様々な人がギャラリーに訪れた。中には作品を見るなり、号泣した来場者もいた。「その絵を見た途端、ご自身の人生が走馬灯のように思い出され、涙があふれたそうです。作家さんはその方とお話しされ、とても感激されたそうです。私たちもお二人をつなぐ場所を提供できたことが光栄でした」と勇二さん。また、ある作家に作風がガラリとかわった理由を聞くと、驚くような出来事がきっかけだったと返答があり、より作家と作品への興味が深まったという。

 「ギャラリーは作品だけでなく、作家さんの人間性に触れられる場所でもあります。またこういった発表の場で、さまざまな意見を聞くことが創作活動の励みになるという作家さんもおられます。アートに興味を持つのに年齢制限はないと思います。若い方から年配の方まで、ぜひ、気軽に足を運んでほしいですね」とご夫婦は、ギャラリーへの熱い思いを語ってくれた。

薫さんの父、吉田仁一さんの回顧展を
2023年2月22日(水)~26日(日)に開催。

『連』
吉田仁一

『蒼』
吉田仁一

※ギャラリーの今後のスケジュール等はこちら

取材日:2023年1月

一覧

このページの先頭へ