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天ぷら そらや 料理長 藤森健吾さん

伊賀の旬の食材を天ぷらで! カウンターだからこそできるおもてなしを大切に

割烹料理店やイタリアンレストランで修行
帰郷し伊賀の食材の美味しさを再認識

 「修行後に帰郷して改めて感じたのは、伊賀の食材の美味しさでした。特に、盆地で育った伊賀野菜は旨味が強い。その旨味をいかした揚げたての天ぷらを提供したくて、カウンターの天ぷら店をはじめました」と話すのは、伊賀市上野西町の「西町や かかん内にある「天ぷら そらや」の料理長 藤森健吾さん(43)。

 

 県内の割烹料理店や京都のイタリアンなどで、十数年にわたって料理の修行をした後、30代半ばで帰郷。伊賀市服部町の天ぷら店「旬彩天 そらや」で約7年間料理長を務めた。2019年に、株式会社きねやが運営する複合施設「西町や かかん」のオープンに合わせて同天ぷら店が移転。移転した店舗でも料理長となり、今年度で3年目を迎える。

 

西町や かかん……築130年以上の町屋をリノベーションした複合施設。「天ぷら そらや」のほかに、コーヒーとあげぱんの店「HANAMORI COFFEE STAND」、伊賀ブランド「IGAMONO」ショップ、観光案内所、「伊賀忍者道場」などが入った、いろいろな機能をもった施設。

西町や かかん

最高の状態で料理を提供したい お客様との対話も励みに

 「天ぷらは奥が深い。ごまかしがきかない、丁寧な仕事が味を決める料理」と話す藤森さん。食材によって衣の濃度や揚げる温度、時間も変えている。天ぷら油は綿実油を使用。理由は、無色で香りがあまりなく、食材の旨味と香りを活かすことができるからだ。

 「天ぷらは食材に衣をまとわせて油で揚げることで、水分が程よく抜けて旨味と香りが増します。揚げたての最高の状態の料理を提供できるのは、カウンターだからこそ。お客様の反応も肌で感じられますし、そのお客様に合ったおもてなしができます。例えば、熱い料理が苦手なお客様には、少し余熱をとって食べやすい温度でお出しするといったことです。お客様から帰り際に『美味しかった』とお褒めの言葉を頂戴した時は、とても嬉しいですね」と笑顔を見せる。

藤森さんの技が光る天ぷら。おすすめは濃厚で旨味の強い伊賀の野菜。

 天ぷらの食材は、旬の美味しさを提供したいとの思いから、食材によって仕入先を変えている。「伊賀は山の恵みが豊富で、春は山菜やたけのこがたくさん採れます。ハウス栽培のアスパラガスや秋が旬のマコモダケ、さつまいもも美味しい。しいたけも肉厚で美味しいですよ。伊賀は四季を通して天ぷらに合う食材が豊富にあります」と話す。

 

 「お客様に新しい味と驚きを提供したい、料理人として常に自分を成長させたい」という思いが強い藤森さん。季節ごとに提供される独自の創作天ぷらは、和食とイタリアンの両方の経験があってのもの。例えば、イチジクを生ハムで包んだ天ぷらやブロッコリーの天ぷらをカラスミのパウダーで味わうといった、食材の組み合せから生まれる味の相乗効果を楽しむ天ぷらだ。また、かぶの天ぷらなど、普段天ぷらにすることのない、新しい食材も常に探求している。

伊賀の食材を使った料理で伊賀の良さを発信したい

 お店では、天ぷらをコース料理で提供している。コースでは伊賀の様々な食材を使用し、調味料には伊賀の醤油を、前菜には伊賀産の菜種油を使用したりしている。お米は伊賀米、お酒も地酒を中心に取り揃えている。

 

 現在は夜の営業のみで予約制だが、観光客も含めより多くの方に伊賀の味を味わってもらえるよう、2023年の春から予約なしで利用できるランチを実施する予定だ。藤森さんに今後の抱負について聞くと「伊賀は美味しい食材の宝庫。より多くの方に伊賀の食材を味わっていただき、食から伊賀の良さを広く発信したい」と、料理人ならではの抱負を語ってくれた。

 

カウンターは12席。町屋の雰囲気が残る店内からは中庭が望める。

「西町や かかん」のお店情報はこちら

取材日:2022年11月

天ぷら そらや

伊賀市上野西町3370

0595-51-8565

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