ここから本文です。
(一社)社会をデザインするネットワーク 下猶茂樹さん
地域交流の場になるイベントを提案
県下最大規模のクラフトフェア「イガデハク」を長年開催してきた
“伊賀から全国に発信するクラフトフェア”として、2003年から2021年の12月まで18年続いた「イガデハク(伊賀でデザイン博)」。同イベントをはじめ様々なイベントを主催する(一社)社会をデザインするネットワーク。その代表理事を務める下猶(しもなお)茂樹さん(55)。平日の昼間は会社員として働きながら、空いた時間を活用しイベントの企画・運営活動や市民活動等を行っている。
下猶さんと同法人のメンバーが長らく力を注いできた「イガデハク」。そのはじまりは、下猶さんが携わっていた地域交流イベント「伊賀の国・市民活動交流会」にさかのぼる。地域活動の一環として、数年前から市民団体が実施していたボランティアイベントに、アート&クラフト作家を招いたところ、互いに交流が生まれ、とても良い雰囲気のイベントになったのだという。イベントを通した交流がもたらす効果を実感した下猶さんは「イガデハク」にもその要素を盛り込み、単なる作品の展示販売だけでなく、作家同士の交流や情報発信の場になるよう心掛けた。交流の輪がより広がるように、公募で全国から出展者を募り、遠くは北海道から九州まで百組前後の作家が伊賀に集結。質感にこだわった作品、展示空間も話題を呼び、県下最大規模のクラフトフェアとして知られるようになった。
会場だったゆめドームうえの(現 DMG MORIアリーナ)が2021年の4月から民間の運営に代わり、改修工事が行われているため、当面の間、期間を定めずイベントは休止しているが「おかげ様で再開を望む声もたくさんいただいております。メンバーと相談しながら、持続可能な内容にブラッシュアップして、再開したいという思いはあります」と下猶さんは話す。 |
“寄り添い”をテーマにしたマルシェや地域交流の場をめざす手づくり市を開催
同法人では「イガデハク」のほかにも、様々なイベントを主催している。伊賀市種生にある博要の丘(旧博要小学校)で「山の学校市場in博要の丘※」を毎月第二土曜日に開催。伊賀市ゆめが丘のプラント伊賀店駐車場では「手づくり市&フリーマーケット いがコミ!※」を毎月第一日曜日に開催している。
「山の学校市場in博要の丘」は“寄り添い”をテーマにしていて、下猶さんいわく「日本で一番まったりしたマルシェ」だという。会場である築70年の校舎には、その空間のファンでもある約10 組が出店。関係者同士が意見を出し合い、様々な試みを行う。例えば、旧博要小学校の校歌を復活させて受付で流したり、使わなくなった朝礼台を磨いて整備したりしている。8 月には博要地区の夏祭りに食と体験に関するブースで参加、5月と11月には災害復興支援コンサートを開催するなど、マルシェ以外にも様々な企画を実施している。
「手づくり市&フリーマーケット いがコミ!」は、現在約30組が出店。雑貨やアクセサリーのほかにもパンやスイーツ等の食のブースも並ぶ。地元のほかにも、京都や滋賀など県外からの出店者もいて、最近は健康づくり等をテーマにした交流型のブースも出店。また、今年の6月から偶数月には「じっくり体験&じっくり癒し」をコンセプトにした「技と癒しのワークショップinゆめぽりすセンター」も同時開催し、メイクや書を用いたセラピストが出店している。
「この地に暮らして良かったと思える、その地域の暮らしに寄り添った幸せづくりのきっかけになるイベントを提案していきたい。イベントを通じてたくさんの方がつながれる、地域交流の場になれば嬉しいですね」と話す下猶さん。同法人の今後のイベントに注目したい。
※「山の学校市場in博要の丘」は12月~2月まで休み。「手づくり市&フリーマーケット いがコミ!」は1月、2月は休み。
※両イベントともにFacebookで最新情報を発信しています。
「山の学校市場in博要の丘」Facebook
「手づくり市&フリーマーケット いがコミ!」Facebook
問:(一社)社会をデザインするネットワーク
TEL 080-6919-8863 ✉sdn.manager@gmail.com
イベント画像提供:下猶茂樹さん
取材日:2022年10月