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理学療法士 山本紘之さん
ボランティアで選手の痛み相談
スポーツに関わる仕事に就きたいと、理学療法士の道へ
「痛みを抱えながらプレーする子どもたちの力になりたい」そう話すのは、伊賀市在住で市内の整形外科クリニックに勤務する理学療法士の山本紘之さん（39）。定期的に市内の高校の部活動や小中学校のスポーツクラブ等を訪問して、ボランティアで「痛みの相談」を実施している。
小学3年生から高校3年生までサッカーを続け、プロの選手を目指したこともあったという山本さん。高校卒業後はスポーツに関わる仕事に就きたいと、名古屋市にある理学療法士を養成する専門学校に進み、卒業後は整形外科クリニックに就職。多くの患者と接するうちに、痛みを我慢しながら、練習や試合に臨む若年層の選手がたくさんいるのを目の当たりにしたという。そして「将来ある子どもたちや若手選手の痛みの相談やコンディションを整える、トレーナー活動を行いたい」と思うようになった。
市内の高校のサッカー部の指導者である後輩に思いを伝えたところ、快諾してもらえたことから、同部で週1回のペースで活動をスタート。自身のサッカー経験のつながりや紹介等で訪問先が広がり、これまで小中学校のサッカーや野球のクラブチーム、テニスや新体操のクラブチーム等を定期的、もしくは要望に応じて訪問。今年で活動をはじめて3年目を迎える。
自身では診察や治療を行うことはできないが、現場では簡易式のエコーで痛みの程度を確認して、復帰にむけたストレッチやトレーニング方法のプラン作成の相談等にも応じ、場合によっては医療機関の受診をすすめることもあるという。
「最初は指導者の方からの相談が多かったですが、何度も訪問するうちに選手から声をかけてもらうことも増えました。元気に復帰してプレーする選手の姿を見られるのが、うれしいです」と山本さんは話す。
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簡易式エコーを使いながら高校生の痛みの相談を受ける山本さん。 |
職種をこえて選手の力になれる活動を
「これまで地元の様々なスポーツチームを訪問してきましたが、まだ一度も訪問できていないチームもたくさんあります。そのようなチームにも訪問し、一人でも多くの選手と関わり、この活動をいろいろな方に知っていただきたいです」と話す山本さん。今後は怪我や痛みで悩んでいる選手に対して、気軽に相談できる存在となり、現場と医療機関の架け橋になりたいという。
「理学療法士以外にも、アスレチックトレーナーや柔道整復師といった職種の方もこういった活動に携わられていると思います。今後はいろいろな職種の方とつながり、活動の幅を広げていきたい。様々な角度から選手をサポートできるようにがんばりたいです」と山本さんは、今後の活動への思いを熱く語った。
※山本紘之さんの活動の様子は、Instagram ＠itamikensinsyougaiで掲載しています。
取材日：2024年1月
