Iga people

伊賀人バンザイ!

ホーム伊賀人バンザイ!木と籐のものづくり工房 笠部のおうち 主宰 岡さつきさん

ここから本文です。

木と籐のものづくり工房 笠部のおうち 主宰 岡さつきさん

自然豊かな伊賀だからこそできるものづくりを

生徒の要望に合わせた天然素材のものづくりができる工房

「天然素材を使って、生徒さんが自分で使いたいものがつくれるのが、この工房の魅力」と話すのは、伊賀市笠部にある「木と籐のものづくり工房 笠部のおうち」を主宰する岡さつきさん。開講日は毎月第1・3日曜日の月2回で、伊賀のほか、県外からも生徒が通っている。一級家具製作技能士と職業訓練指導員(木工科)の資格を持つ岡さん。生徒の要望に応え様々なものづくりを教える。籐の椅子の座面の張替えから、ペットシーツを入れる棚、杉で作るままごとキッチンなど、教える内容は多種多様だ。「この工房に来られる生徒さんは『日常生活の中でこんな風に使いたい』という具体的なイメージをもって、ものづくりをされます。それが私の発見や刺激にもなっていて。ワイワイおしゃべりしながらつくるのも、また楽しいですよ」と岡さんは話す。

工房では「ウッドペンクラフト」のワークショップも実施。これは、370種類以上の樹木と十数種類の金具から好きなものを選んで、世界に一つのオリジナルペンがつくれるというもの。ペンの種類は万年筆、ボールペン、シャープペンシルなどがあり、木材を専用の機械で削って、オリジナルのデザインに仕上げる。プラスチックとは違い、木ならではの優しい質感と経年変化が楽しめると好評だ。

電動ドライバーを使った木工や
籐編みが体験できる工房「笠部のおうち」

かごバッグが人気。
椅子や茶瓶の持ち手などのリペアも可能。

籐を生業とする家で育ち、様々な職業を経て工房を開く

東大阪出身の岡さん。実家の祖父母が営んでいたのは、籐の家具や雑貨を製作する籐工芸のお店だった。祖母は文化教室で講座を持ち、講師を育て、籐工芸を全国に広めた。岡さんは、作業場の仕事を見て育ち、祖母の教室にもよくついて行ったそうだ。

一方、岡さんが伊賀で工房を開くのには紆余曲折があった。大学卒業後に、長野で日本在来馬の木曽馬を保護する牧場に勤務するも、家族の体調不良から帰郷し、大阪府内の小学校で教職に就いた。休み時間に、海外製のウッドパズルに夢中になる生徒を見て、木のよさを広く子どもたちに伝えたいという思いが強まり、教師を退職。その後、木製雑貨のネットショップを営み、イベントに出店の際、大阪で木工教室を運営する木工の師匠や仲間と出会った。そして、自宅でも開業できるおうち木工教室の講師を養成する「スマイルウッド合同会社」の代表となり、仲間の工房が伊賀にあったことが縁で2015年に伊賀市笠部で教室を開講した。昨年スマイルウッドが大阪の師匠の会社に統合されたことから笠部の教室は現在のかたちとなり、大阪でも籐の教室を行うようになった。「生徒さんの要望から籐の教室もはじめましたが、来られる生徒さんの幅が広がったと思います。木工だけでなく、より生徒さんの要望に応えられる今の工房の方が、自分の性に合っている気がします」と岡さんは話す。

はじめてでもクオリティの高い木製ペンを作ることができる
ウッドペンクラフトのワークショップ。

秋には庭のアケビツルを採取して、屋外レッスンをすることも。
伊賀の自然をいかしたものづくりを 夢はさらに広がる

伊賀の自然をいかしたものづくりを 夢はさらに広がる

「この工房は豊かな自然に囲まれています。教室では、庭のアケビのツルを採ってきて籠を編んだり、木の実をリースの飾りにすることも。大阪ではこんな体験はできませんから。私自身、温かみのある天然素材のものが好きなので、ここは自分にとってもリラックスできる場所です」と笑顔をみせる。

まだまだやりたいことがたくさんあるという岡さん。その中の一つが、竹細工だ。一昨年の冬から試作用の材料の準備を始め、昨年からは大阪の竹細工の教室に通い始めた。材料は工房の近くに生えている竹を使う。まず、竹林から竹を切り出し、火であぶって油抜きをし、長期間乾燥させる。さらに、その竹を細く割り竹ひごをつくるという、手間と時間がかかるものだ。しかし、竹は籐より水に強いため、ざるなどの台所用品もつくれるのが魅力だという。「伊賀の竹を使って、ここで竹細工をするのが夢なんです。竹細工は籐の編み方と似ている部分もあって、興味をもっている生徒さんもいらっしゃいます。近い将来、竹細工教室も行えたらいいなと思っています。そのために、竹細工の技術をもっと身につけたいです」と新たな試みについて目を輝かせながら語ってくれた。

木と籐のものづくり工房 笠部のおうち

伊賀市笠部533

080-7041-6483

一覧

このページの先頭へ